未経験でも、研修を通じて
軸のあるエンジニアになれる

こうして話をするのは研修のとき以来ですね。あれからお二人はどのような仕事に配属されましたか？

デバイス関連メーカーに配属されて1年が経ちました。半導体プロセス開発の補助業務を担当しており、収集したデータから担当業務の効率化を図っています。

私は自動車メーカーに配属されて5ヶ月になります。自動車エンジンの騒音、振動において法規面をクリアしつつユーザーの乗り心地を追求するための開発業務を担当しています。

研修で学んだことは実務で生かせていますか？

2D・3D CADソフトの操作や品質管理の基礎、正規分布の考え方など、研修で身につけていたおかげで戸惑わずに対応できました。

そうですね。ただ、それよりもむしろ研修中に福島センター長が話してくださったエンジニアや社会人としての心構えのほうが大きかったです。特に「良いエンジニアとは、視野を広く持てるエンジニアだ」という考え方は、仕事のさまざまな状況で生かされています。1つの問題に対して、一歩引いた視点で見ることで有効な改善策が見つけられますし、新たな問題を発見することにもつながるなど、自分のエンジニアとしての軸になっています。

私も全く同じ意見です。広く視野を持つこと、それは自動車の開発業務に携わる中で、部署として目指す品質はどこなのか、部署だけではなくてこの車そのものが目指すところはどこなのか、この車だけじゃなく会社として目指しているのはどこなのか……究極的には日本の自動車業界全体として目指すのはどこなのか、という視点を常に意識すること。そこから自分の業務へ落とし込んで取り組むことが、質の高い仕事につながります。逆にそれを見失うと、目先のことだけをやる作業人間になってしまうんですよね。経験のないぶん余計に必死になって周りが見えなくなってしまいがちなので、いつも福島センター長の言葉を心の中で繰り返しながら仕事に臨んでいます。

そう言ってくれると嬉しいですね（笑）。私が研修で一番伝えたかったことをちゃんと受け止めてくれていて、講師冥利に尽きますね。